桜の見える丘(仮)


なんか…このままじゃすっきりしない。


だって…私決めたじゃん…。


神谷を信じるって……。


いや…あの時は、いきなりだったし…私に何かあったのかと…。


冷静になってもう…ちゃんと信じれる。


神谷の机を見ると、もうかばんはない。


きっと、部活に行ったんだろう。


「葵。私、神谷にちゃんと言ってくる。」


「なんて…?」


「神谷を信じて…――――――別れる。って。」


「…そっか。ちゃんと、最後まで信じてあげなよー。私なんかもう…雅人のこと信じすぎててやばいもん…うへへ…。」


葵はまた…自分の世界に入っていってしまった。


さて…。私も…行ってくるかな。



体育館に近づいて行くと…ボールをドリブルする音が聞こえてくる。


『オーーエイッ、オーエイッ!!』


低い男の人独特の声も聞こえてくる。


それと…女の人ってか女子生徒の黄色い声援も聞こえる。


「やっぱ…すごい人…。」


バスケ部の練習を見るためにすごい数の女子…。


まぁ…かっこいいことには同感する…。