桜の見える丘(仮)


「ほんとに離してくださいって!!!!」


振り払おうとしても男の力に勝てるわけもなく…。


「おい。なにしてんだよ。」


ナンパしてきた2人と違う声が聞こえる…。


「あ?何だテメェ。」


私の手をつかんでいた男は私の頭を通り越して何かを見ている。


ゆっくり後ろを振り向い見ると…そこには…神谷と柏木君が。


そして、その後ろから心配そうに葵がいた。


「その子。どこに連れてくの?」


「あぁ?関係ねぇだろ。話しかけてんじゃねぇよ。」


「関係ない…?ねぇわけねぇだろ!!!大ありなんだよ!!!勝手に俺の女に触れてんな。」


神谷がこれ以上にない怖い顔をしている。


けど…私のためにしてくれてることだと思うと…いつも以上にかっこよく見える…。


俺の女って…俺の女ってぇぇぇ!!


やばい…なんてかっこいいの!!!


ちょっとベタな気もするけど…いい!


「お前の女かよ。ほったらかしにしてる方が悪くね?彼女は俺達といる方がいいってよ。」


「ハァ…。おい、どけっ。」