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葵は涙を流しながら私に全部話してくれた。


思い出すのも嫌だっただろう記憶を全部私に…。


こんなに…こんなに…怖いおもいをして…すぐに人を好きになれと言うのは無理にきまってる。


でも、葵はやっぱり乙女なんだよ。


心に決めても…やっぱり恋しちゃうんだよ…。


だから…今度こそちゃんとした恋をしてもらうんだ。


「葵…話してくれてありがとう…。こんだけ辛い恋をしたんだもん。次こそはいい恋出来るよ!!って…私が言うことじゃないんだけどね…えへへ。」


「ううん…。聞いてくれてありがとう。強くなるって思ったくせに…私は怯えてるだけなんだ…。みんながみんなあの先輩みたいじゃないってわかってるのに…でも、どこか裏があるんじゃないかって考えたら怖くて…。」


「怖いよね…。あんなことあったんだもん…。葵は愛されるべき乙女だもん!!!葵を好きになってくれる人なんていっぱいだよぉ!!!柏木君を惚れさせよう!!」


「でも…こんなに怖かったのに…なぜかあいつだけ心を許せたんだ…。男の中で。あの笑顔のせいかな…?柏木は悪い奴じゃないなあ…って自分で思えた。だから…他の人に取られるとか…絶対ヤダ!!」


涙をぬぐって葵の目は本気の目になった。


「私…もう自分に負けない。なんでもあの先輩のせいにするのとかやめる。結局、ひきずってるだけなんだろうなぁって思うんだ!!だから、もうキレイさっぱり忘れる。もう、あんな奴関係ない!!!」