桜の見える丘(仮)



「今日は人全然いないじゃん!ラッキーだったね、真美!」


「そうだね!!あ、あそこで食べよっ!!」


そこはドアからは見えなくなるところだった。


2人でお弁当を開き、ご飯を頬張る。


「んまぁ!さすがお母さん…料理うまいなぁ。」


「葵だって結構料理出来るじゃん。羨ましいよぉ。」


家でも話せるようなことを話しながらご飯を食べていく。


「ふぅー…ごちそうさま!教室かえろっか!」


立ち上がってドアに向かうと…聞き覚えのある声が…。


その声に私は不意に隠れてしまった。


「真美!!こっち。隠れて!!」


タンタンと階段を上る音が消えるとドアが開いた。


そこには…上級生の男の人が数人…。


その中に、先輩もいた。


だから…私は隠れてしまったのだ。


ここまで不幸はかさなるものなのか…。


知りたくないことを知ってしまうようにしてしまったのは


――――――――――私自身だ…