桜の見える丘(仮)


真美はこちらにテトテト走ってきた。


「おねぇちゃん。この人彼氏?」


私と先輩は驚いた顔で真美を見た。


「ッブ!!違うよ。俺は葵ちゃんの友達…ってとこかな?ってか…葵ちゃんがおねぇちゃんなの?」


私がお姉ちゃんでおかしいみたいな目線で私を見る。


「真美…いきなり何を言うかなぁ…って先輩!!私がお姉ちゃんで何がおかしいんですか!!」


「頼りなさそ―!!」


「ッブ…!!」


その言葉に真美が吹きだす。


「真美!!そこ笑うとこじゃないでしょ!!」


「だって…2人のやり取り面白すぎ…。」


たしかに…双子で生まれてきたのに…。


モテるのは真美。頭いいのも真美。性格がいいのも真美。


私が真美に勝てるものがなかった。


それでもよかったんだ。私は妹の真美が好きだったし。


真美も私をお姉ちゃんとして頼ってくれた。


同じ年なのに。