桜の見える丘(仮)


…。


「教えてくれるんじゃないんですかぁ!!?もうっ!!!」


ぷぅと頬を膨らます私。


ぶりっ子言いたいの!?恋する女の子は可愛くいたいの!!


少しぐらいはいいんだよっ。


「ほんと…可愛いなーおい!その顔怒ってるつもり?可愛いだけだからやめときな。」


そう言って私に紙を渡して…私の頭をポンポンとしてきた。


か…可愛いって!!ポンポンって!!!!!


私のテンションMAXなんですけど!!


先輩が触れた頭を赤くなりながら自分で押さえる。


「んじゃ、もう遅いし。送って帰るよ。」


先輩は私のかばんも取ってくれて、私の方にかばんをヒョイっと投げる。


「ほら、いくぞ。置いて行くぞ。」


「ちょっ!!送って帰るとか、置いて行くとか…どっちなんですかぁ!!」


「送って帰るっつったろー?なに言ってんだ。」


私の先を歩いていたくせに…私が追いつくと私の歩幅に合わせてくれるんだ。


ほんと…こーゆーさりげない優しさ好きだなぁ…。


先輩の横顔をばれないように見つめる。


顔…整いすぎじゃないか…。