桜の見える丘(仮)



ドタドタと足音を立てて委員会の集まりのあった教室を出ていこうとする。


「ちょっ!!怒んなよー。悪かったって!!」


先輩の言葉は聞かないふりして教室を出る。


ガタッと音がしたあと…私の腕をパシッとつかまれる。


「まじ怒るなって。」


真剣な顔で私を引き止める。


いつも笑顔でいる顔がこんなに真剣な顔になるんだ…。


って…なんか失礼か。すいません…(心の中で)


「怒ってませんよ。」


「ほんとにぃ?ってか、これ…いらないわけ?」


つかまれていた腕はいつの間にか離されて、教室のドアにもたれて…。


ひらひらと白い紙きれをゆらしている。


よく見ると…メールアドレスと携帯番号が書いてあるじゃないか!!!


「い…いりますっ!!」


先輩は腕を高くあげて、ほれほれ~と私で遊んでいる。


むっと意地になった私は、出来るだけ高くジャンプしてその紙をつかもうとする。


けど…私よりはるかに背の高い先輩…。


私がジャンプするとおんなじようにジャンプするから…全然とどかない。