桜の見える丘(仮)


「どう…って。何?」


「そりゃぁ…自分で考えたら?」


自分でって…どうしようもないでしょ!!


「えぇ…?わかんない。」


「…少しは考えろよ。んじゃぁ、前沢からキスして?」


…うええぇえ!?きっ…キスぅぅ!?


「いっ…ヤダよ!!そんな恥ずかしいこと…。」


「いいんじゃね?それぐらい。俺は心に傷を負ったの。それを癒すキスぐらいいいんじゃねぇの?」


傷ってねぇ…。


そりゃ、信じてなかったのは私が悪いけど…傷って絶対嘘だ!!


「ほら、早く。」


あのかっこいい顔がずいっと近づいてきた。


そんなことだけに赤面してる私って…!!


す…少しぐらい…ね。


付き合ってるんだもん…。大丈夫…。


そぉー…っと神谷の顔に自分の顔を近づけていく。


うわっ…まつ毛ながっ…。


「おい。はやくしろって。」


少しだけ目を開けてこちらをうかがう。