桜の見える丘(仮)


「あー…。あれは…もう少しで試合があるんだよ。」


頭を少しかきながら話す。


「し…試合?」


「そう。バスケの試合だよ。俺、一応レギュラーだし。」


そうか…試合があるのか…。


それでお昼休みいなかったのか…!!!って…なんで!?


答えになってないような…。


「それで…新しいプレイパターンとか技とか教わってたわけ。作戦考えたり。それで、最近一緒に帰れなかった。前沢に言わなかったのは、マネージャーでも一緒に帰るってなったら…どうせやきもち妬くだろうなって思ってよ。」


そうか…作戦を考えたり…バスケのことで話し会うために…。


「んま、どっちにしろやきもち妬かせちまったけどな。」


「ううん。ありがとう…。神谷の優しさだったんだもんね…。だけどさ…やっぱり言ってほしかった…。だから…もう隠し事なしにしよ?」


そうだ…もう隠し事なんてなし。


やましいことなんて何もないんだもん。


「そうだな。ごめんな?俺も不安にさせて。」


私を抱きしめる力がいっそう強まる。


「けど、やっぱ信じてもらってなかったのは傷ついたー。どうしてくれる?」


さっきまでの優しさはどっかに飛んでいってしまったのだろうか…。


なんだ。その、なにか悪さをしようとしている顔は。