桜の見える丘(仮)


信じられないことを耳にした。


やっぱ…めんどくさかったのかな…。


もう…立ち直れないじゃん…。


グッと布団の端を握ろうとしたら…


私の体にかかっていた布団をゆっくりはがされた。


「もう…お前を泣かすようなことしたくねぇのに…。」


私を…泣かしたくない…?


「…ヒッグ…ウッ…ッ…」


涙でボロボロの顔なんて見られなくない。


それなのに…優しく私の頬に手をそえる。


そして…親指で涙をぬぐってくれる。


「ほら…。お前、想像豊かだからさ…変な方向ばっかに考えるだろ?だから、今回のこともどうせ…勘違いしてんだろうなって。」


神谷のあの言葉を思い出す。


『俺はお前のなんだってわかる』


この言葉が…。


ほんとにわかられてる…。


なんにも説明してないのに…わかってくれてるんだ…。


「か…みやぁ…。あ…んね…」


嗚咽が混じりながら言う。


「ん?」


優しさがあふれてるその顔は…ダメだと思うな…。


かっこよすぎる…。