桜の見える丘(仮)


すると先生がいきなり…


「ほんと神谷君って紳士よねー!前沢さんを抱えて来た時にはびっくりしたわよ!!先生…青春思い出しちゃった!!」


「先生っ!!何言ってんすか!!」


慌てて先生が話してることを止めようとする神谷。


もう…聞こえちゃったんだけどね。


「えー、いいじゃない。だって…バッシュで来たでしょ?体育館から慌てて出てきたんじゃない?砂ついちゃったら体育館で使えなくなるのに…必死だったのねー!もう…恋愛しちゃって!あ、先生用事思い出しちゃったー!ここ…先生帰ってくるまで出ないでね☆」


じゃっ♪と保健室を去っていった先生…。


なんとわざとらしい…。私たちを2人にしようと思っただけだろう…。


でも…先生の話は本当だろうか?


なら…私はなおさら嫌な奴じゃん。


「あー…、起きてるのわかってるから返事しろ…。」


…なんで命令形なのよ。


もしかしたら寝てるかもしれないじゃない!!


「…答えねぇのかよ…。んまぁ、いいや。お前…またなんか勘違いしてるだろ。」


勘違い…?


してないし。だって確かめたもん。


「俺、あいつとは何もねぇから。どうせお前のことだし…なんか余計なことでも考えてたんだろうけど。」


なにもないわけないじゃん…。


一緒に帰ってるじゃん…。


昼休みも一緒にいるじゃん…。


これのどこが何もないって言うの…?