桜の見える丘(仮)


「そうだよ!!何回も言わせんな。お前が楽しそうにあいつと話すから。下の名前で呼びやがって…」


―――――俺だって…名前で呼ばれてぇっつーんだよ。


ぼそっと言ったつもりなんだろう…


私には聞こえたよ?


そんな可愛いやきもち焼いてくれて…


私…神谷のこと何にも考えてなかった。


最低な彼女だ…。


「それに…なにお前はキスされてんだ。」


「あ…。」


そうだった…おでこにキスされたの忘れてた…。


「なにが、あ。だよ!お前にとってはそんな程度のことなのかよ!俺にとっては…そんなことじゃねぇんだぞ…。」


照れながら怒る神谷は…全然怖くなかった。


むしろ…可愛い…。


でも、私が一方的に怒られるのも気にくわない。


ここは言い返してやる!!


「さっきから…私だけ怒られてるけど。神谷だって悪いんだからね!!あの子…神谷のこと好きだって思ってるのまるわかりだったのに…それなのに…」


私だけが想ってたわけじゃないってわかった…


でも…やっぱり悲しいよ…