桜の見える丘(仮)


でも…こんなことが起こってしまった場所は…


教室であって…他の生徒が痛いというほど私を見ている。


「今の…みた?純、キスしてなかった?」
「見た見た!!あの人って…神谷君に大胆に告白した人でしょぉ~?信じらんない。」


嫌みを…わざと聞こえるように言ってるんだ…


いいよ。いいたきゃ言ってればいい。


前…こんなことがあった時は葵が助けてくれた。


でも、もう助けを求めない。


葵には迷惑ばっかかけてらんないもんね…


「純にまで手出してんのー?ありえないんですけど。ってか何様?」
「ブスのくせに調子乗ってんじゃねーよ。」
「キャー、かれんこわーい!でも、当たってるよね!」

キャハハハハハハと高い声で笑う。


言わせておけばいいんだ…


大丈夫、耐えれる…耐えなきゃ…


そう思うのとは裏腹に…目に涙がたまってくる。


泣きそうなことを悟られたくなかったから私は顔を伏せた。


「あれ…泣いてんの?弱っ!!なに?守ってあげたくなるでしょ女、演じてんじゃないのー?だっせー!」
「誰も構ってくれねーよ。ばかじゃねぇの?泣いたら助けてもらえるとか思いこんでるんでしょ。かわいそー。」