桜の見える丘(仮)


机に顔を伏せていた私の前に斉藤君がいた。


「斉藤君かって…なんかひどくね?ってか…斉藤ってやめてよ。」


斉藤ってやめてよって言われても…斉藤君は斉藤君じゃん。


なにいってんの…?


なにも答えず少し考える顔をしたら、ハァ…しょうがないなぁ。と斉藤君がいった。


「名前。名前で呼んでってこと。」


「え?名前で…?」


「そう、名前で。ほら、言って?」


ちょっと待てよ…斉藤君の名前ってなんだったっけ…。


あ…えっと…ん~…?


「なんでいってくれねぇの…?あと、10秒以内に言わなきゃここでキスするよ?」


「っえ!?っちょ…!!」


10―――・・・


9―――・・・


私があわててる間にもカウントは始まって…


8―――・・・


なんだっけ…この名前であってるかな…


7―――・・・


6―――・・・