桜の見える丘(仮)


たしかに…あんまりいないなぁ…。


「だ…だからさ、ほら!こんな夜道に女の子一人じゃ危ないし…俺も一人で心細いし…一緒に帰って?」


少し眉毛を下げた笑顔を見せられた。


そんな…断れないじゃん…。


「まぁ…いいよ?せっかく待ってくれてたし、どっちにしろ一緒の方面だしね!」


「あ…そっか!」


あははっと二人に笑いがこぼれる。


そんな姿を…見られてるとも知らずに――――――・・・・




神谷と口を聞かなくなってから…もう1週間がたつ。


この1週間…目も合わせてくれなかった。


それなのに、私にも見せたことないような笑顔を他の女の子に見せてる。


なんなの。私にはそんな顔みせたことないくせに。


もう…彼カノじゃないっていいたいの…?


私には挨拶もしないくせに。


なんで…その子達には挨拶するの…?


やっぱり…神谷の気持ち…わかんないよっ―――・・・


「み…め…ゃん、みひめ…ゃん!美姫ちゃん!!?」


「えっ!?あぁ…斉藤君か。びっくりさせないでよ。」