桜の見える丘(仮)


「おっす。暗いし…一緒に帰らない?」


門に腕を組んでもたれかかっている…


暗くて…よく見えない。


少しずつ近づいて行くと誰か分かった。


「斉藤君…。部活終わったの?」


体操服姿のままの斉藤君がそこにはいた。


練習、暑かったのかな?


長袖を腕まくりしている。


体操服をまくったところから見えている腕は…日に焼け茶色がかっていて、筋肉で硬そうな腕…。


また…不覚にもキュンとしてしまう。


って、私…どんなとこにキュンとしてんだよっ!!


「あぁ、うん!ってか、終わったからここにいるんだよ!」


あぁ…そっか!バカだ…私。


って…一緒に帰らない…って?


「えぇえっ!いっぃいいい一緒に!?!?!」


動揺しすぎ…めちゃめちゃ噛んでるし…大きな声出しちゃったし。


「そうだよー。一緒の方面だったし…こっちの方面って一緒の奴なかなかいないよね。」


と、今から帰る方の道を指さす。