桜の見える丘(仮)



「神谷君!今日は部活練習あるの?」


あいさつを返してくれたことで調子に乗った女子達が神谷に話しかける。


「あぁ、あるよ。今日は外練。」


げ…今日外なの…?


コート近いじゃん。


実は私…テニス部に入っております。


そのテニスコートの近くにバスケットゴールがあるわけで…。


外で練習の時は嫌でも目に入る。


あ…嫌じゃないんだけどぉ…。


でも、今こんな気持ちであいつを見てもイライラするだけだ。


授業が始まってもイライラ。


「おい、前沢ー。ここ、答えてみろ。」


「わかりません。」


即答。


「すこしは考えてから言えよ…。先生悲しいぞ!」


そんな先生の絡みにイライラ。


授業に集中できず、お昼休みが来てしまった…


「美姫。手、洗いに行こ?」


机に顔を伏せている私に優しく声をかけてきた葵。


「んー。」