「あーおーいぃー!おはよぉお!」


葵に飛びつく。


「おわぁっ!あ、なんだ。美姫か…。びっくりしたぁ。おはよー。」


「そんなに驚かなくてもいいじゃぁーん。」


むぅ、と頬を膨らまし怒ったフリをする。


「おぉー、かわいいねぇ~。恋する乙女は可愛い…ってとこか!」


ニシシッと笑う葵。


「可愛くないし。葵…かわいすぎだし。」


適当にあしらわれた私はフリではなく、少し拗ねる。


葵はメガネをかけて本を読んでいる。


本を読むのをやめず、私の相手をしているのだ。


「んでー?なにぃ。喧嘩でもしたか。ん?」


「んなっ!!!」


なななんで…いつもみたいに元気に接してるのに…。


どうして分かったの!?でも…言わないほうがいいかな…?


「け…喧嘩なんてしてないよ!」


おぉ…我ながらすごい棒読み…。


「嘘下手くそだね。そんな嘘つかなくてもわかるって。」


椅子の背もたれに肘をかけ、サッとメガネをはずし少し笑って私を見る葵。