桜の見える丘(仮)


「嘘なんてついてる余裕俺にはねぇよ。お前が好きなんだよ。」


神谷の体は私からゆっくりはなれ…少し赤らめた顔で私を見る。


「でも…そんな…」


「俺は知ってた。お前が俺のこと好きだってこと。」


さっきまでの照れた顔は消え、私のことを余裕そうな目で見降ろす。


「し、しししし…知ってたってぇえぇぇぇえ!?」


「うん。知ってたよ?だから言ったじゃん。俺はお前のことなんでも知ってるって。」


そ…そーゆーことだったのか…。


「じゃ…じゃぁ…あの…こっことも…」


「告白か?あれな。お前はどっかいっちまったけど、俺…」


「俺?」


「あぁ、やっぱ言わねぇ。」


私から目をそらす。


「あー!途中でやめるとかせこい!そこまで言われたら気になるじゃん!言って!」


「は?言わねぇし。ってか、知りたいなら俺のこともっと知ってから聞けよ。俺のこと何にも知らなかったくせに。」