桜の見える丘(仮)


「うわっ!!!かっ…かかかかか神谷!?」


「なんだよ。人をおばけみたいに言いやがって。」


「だっだだだって!さ、ささっき…女の子と、はっ話して…」


いきなりのことに驚いて、噛みまくり…。


「おいおい。どんだけ噛んでんだよ。落ち着け。はい!深呼吸ー」


パンッっと手をたたき、なんかレッスンされてるのかよ!みたいな…



「スゥーー…ハァーー…」


「どう?落ち着いた?」


「うん…ありがとう…。」


「ってか、ちょっと影に移動しねぇ?まぢ、あちぃわ…」


確かに、夏ではないけど…この時期でも結構な日差し。


それに走ったばっかだもんね…


顔や首には汗が流れている。


体操服の首裾でパタパタと仰ぐ。


パタパタと仰いでいる隙間から…たまに見える鎖骨が…


たまらなく…


「かっこいい…」


――――――っ!!!


バッっと両手で口を押さえる。


なに…今…心の声が声にでたよね…?


気付いてない…?大丈夫だったかな…?