桜の見える丘(仮)


まぁ…それが、あいつの気持ちってだけだもんね。


つい、はぁ…とため息が漏れ、落ち込んでしまう。


「あっ…ごめん。傷つけるつもりはなかってんけど…言わんかったらよかったな…。」


私の落ち込んだ姿を見て、健吾君も落ち込む。


「いやいや、全然!教えてくれてよかったよ!ありがと!」


ニコッと笑顔で言う。


「………美姫ちゃん…かわいいっ!」


「ギャッ!」


また、私に抱きついてくる健吾君。


ちょっ…。


私より背、かなり大きいし…力がすごいっ!


「健吾くっ…ん。痛いっ!」


私の声も聞こえず、ギュゥーとか言いながら私を抱きしめる。


――――ヒソヒソ…ヒソヒソヒソ


周りからの目線が痛いっ!


ってか、なんで抱きしめられなきゃいけないの!?


「っいって!」


声とともに、私から離れる健吾くん。


しかも、私の足元にいて頭を押さえてうずくまっている。


「馬鹿か、てめぇは。嫌がってんだろ。」