桜の見える丘(仮)


「まぁまぁ。美姫…。周りの子が速すぎただけだって。美姫も速かったよぉー?」


結局、結果は…最下位…だった。


「ありがと…でも、もういいの。もう…応援がんばる!」


「そうだよ!それでいいじゃん!がんばってね!」


私たち一年が出る競技が少しの間なくて、先輩たちの応援だけしていた。


「あっ!葵、次の次じゃん。がんばって!」


「ほんとだっ!もう、呼び出し始まってるかも。まかせて!勝ってくるからっ!」


パチッっとウインクをして、選手たちが並んでいるところに葵は消えていった。


「はぁー…。つまんないなぁ。」


ちらっと、あいつを見る。


男子友達と仲良く遊んでいる。


「って…何見てんだ?私…。」


諦めたんでしょ。ってか、あんなことしてよく好きでいられるよね…。


と、自分の心に言い聞かせる。


でも…いきなりは諦めるなんて…出来ないよ。


はぁ。とため息が漏れる。


「美姫ーちゃんっ!」


誰かに呼ばれ、振り向こうと思った、その時…。