君の面影

俺は後ろに振り向いた




「あ、悠!!」
「瑠歌…」
「ごめんごめん!」




そこには瑠歌が立っていた




「どうしたの?」
「いや……」




そうだよな……



俺の勘違いだよな……




「てかお前遅すぎ!!!」
「あはは〜、ちょっと寄るとこがあって」
「寄るとこ?」
「あー、うん。友達が入院中だからそのお見舞い」
「へーお前に友達なんかいたんだ」
「失ッ礼な!! これでもみんなに人気なんだからね!」
「へー……」
「あのねぇ……」
「てかお前何つけてんの」
「はい?」
「なんかいつもと違った匂いが」
「ん〜?」




この時、思いもよらない言葉が出てきた




「あ、もしかして悠愛の香水かな?」




ドクン…




「…え、いまなんて…」
「多分さっき悠愛に香水借りたから…」




_____悠愛




久しぶりに聞いたその名前




いつの間にか口に出さなくなった名前




俺は心臓が握られたような錯覚に陥った