「い〜ち〜!!」
「なんだよ、ったく…」


愛はなぜか俺を急かす
まぁ、俺がマイペースなのが理由なんだけど……


「いち、はい!!」
「ん? なんだこれ??」


愛の渡してきた物、それは……


「何って鍵に決まってんじゃん」


愛はさも当たり前の事のように言う
いや、俺が聞きたいのはそこじゃねぇよ…
それぐらい見りゃ分かるっつの!!


「あのな、俺が聞きたいのはこの鍵が一体なんの鍵なのかってことだ!」
「そんなの教えたらつまんないじゃん。考えても見てよ? もし私がその鍵の正体を教えちゃったら楽しみが無くなっちゃうでしょ?」


楽しみだぁ?


「愛、君は僕と何年の付き合いかな?」
「うわぁ…僕っていちに似合わなーい!!」
「いいから!!」
(俺だって似合わないのは分かってるっつうの!!!)
「確か小学校からだから……10年?」
「残念。君はもう17歳だろ? 11年だ」
「え〜そんなのあんまり変わんないじゃん!!」
「そうだな。でも実際は幼稚園から一緒だから13年だ」
「ボソッ…男のくせにちみちみと……」
「な〜に〜か〜言ったかな〜〜??」
「べ〜つに〜」
「とりあえず、13年も一緒にいて俺の性格、わからないかな〜」
「……」
「俺はこういう頭を使うような事はみかんの後の牛乳より嫌いなんだよ!!」
「わかってるよ!!」
「わかってるんならなんで……」
「だって……今日は特別な日なんだもん!! こればっかりは悠愛も譲らない!!」


悠愛はそういって口を閉ざした


特別な日???