「あー…大丈夫だから、親父。

ちょっとへこんでるだけだから」

嵐の声も聞こえてきた。

ちょっとって、こっちはかなりへこんでますけど!?

「そうか」

それだけ返事をすると、お父さんはどこかへ行った。

「全く、さっさと息子だって認めろよ」

ため息混じりで嵐はぼやいた。

そりゃ、無理だと思うよ。

証拠が不充分だもん。

遺言書とペンダントだけでわかるはずないでしょうが!

遺言書なんて、偽造しようと思えば偽造できるもん!

ペンダントなんて、どこにでも売ってるものに適当に名前を書けばできあがりよ!

「と言うか…弥生、へこむのはそれくらいにしろよ」

嵐が言った。

…すみません、それは八つ当たりですか?