「生ビール2つ!」

覚えれるかーっ!

と言うか、勝手に注文を増やすな!

何とか頭の中に注文を全てたたき込むと、俺は親父のいる厨房へと足を向かわせた。

「親父、生ビール2つとからあげと厚揚げ豆腐と枝豆、冷ややっこ1丁と空豆ゆで過ぎないで」

「よくそんな大量の注文を覚えられたな」

手際よく手を動かしながら、親父は返事をした。

覚えられなかったと言う理由でハプニングを起こされても仕方がないでしょ。

そんなことを思いながら、俺はカウンターへと戻った。

「そうよ、婚活よ!

コ・ン・カ・ツ!」

ベシベシとテーブルをたたきながら熱弁しているのは、美波さんだった。