心配そうに顔を覗き込んできた弥生に、
「ドワッ!」

俺は驚いた。

ゴンッ!

ピョンと後ろに跳ねたのと同時に、後頭部に衝撃を感じた。

後ろに電信柱があったらしい…。

「…だ、大丈夫?」

腫れ物に触るような言い方で、弥生が聞いてきた。

これを見て“大丈夫?”なんて聞くなよ…。

「嵐、もう帰ろう?

早く帰って、頭を冷やそう?」

「おっ、おお…」

自分の声が痛む頭に響いた。

本当に痛いのは頭じゃなくて、頭蓋骨だったりしてな。

そんなジョーダンを心の中で言いながら、俺は弥生と一緒に家に帰った。