「本人もよく言われるって、名前だけ聞いたら女に間違われるんだって」

「一応、男なんだな?」

そう聞いた俺に、
「そうよ」

弥生はおかしそうに笑いながら言った。

「アラサーのかっこいい人よ」

年齢的には30歳前後と言うことか。

「それよりもさ、早く用を済ませよ?」

弥生の言葉で、肝心の用事を思い出した。

「そうだな」

俺たちはその場を立ち去った。


「毎度ありー」

八百屋のおじさんから弥生は袋を受け取ると、
「はい」

何故だかそれを俺に差し出してきた。