「おかしいな、場所的にはこの辺だろ?」

そんなことをぼやきながら左右を見回すも、目当ての場所はない。

「この街の『野ばら商店街』――住所は間違ってねーと思うんだけど」

ため息混じりにぼやきながら、俺は探索し続けた。

いい加減、足も限界である。

仕方ねーけど、誰かに道を聞くとするか。

「すみません」

俺の横を通り過ぎようとした、黒髪ボブの女の子に声をかけた。

「はい?」

顔を見た瞬間、俺の心臓がドキッ…と鳴った。

ヤベ、マジでかわいいんだけど…。