春も嵐も

「俺も親父の立場だったらそうなると思う。

血の繋がらないヤツと住んでたくせに、いざとなると迷うと思う。

今まで家族として過ごしてたのに、本当に家族になると思うと不安になる。

でも…」

「でも?」

あべこべじゃねーか。

場違い過ぎるツッコミに、俺は笑いそうになった。

「弥生と一緒に、そんな不安をなくす家庭を築きあげたいんだ。

俺みたいな見知らぬヤツが転がり込んできても、温かく迎えられるようなそんな家庭にしたい」

親父は息を吐くと、
「今の言葉に、ウソ偽りはないんだな?」
と、聞いた。

「俺がウソをつくように見える?」

そう言い返した俺に、
「それだけ気があったら大丈夫だな」

親父が笑った。