春も嵐も

意外だった。

まさか、そんなにも早くから俺と弥生の関係に気づいていたなんて。

「子供のことに気づかない親がどこにいる?

お前たちの変化なんて、最初からお見通しだった。

けど…」

「けど?」

「本当に、お前が俺の子供になるのかと思ったら心の整理ができなかった。

とっくの昔から一緒に暮らして、息子と認めたはずなのに。

いざとなると、整理がつかない。

バカな親父だな、俺は」

自嘲気味に呟いて、親父は息を吐いた。

「親父は、バカじゃないよ」

そう言った俺に、親父は驚いたように目を見開いた。