春も嵐も

そう言った弥生は、悲しそうに目を細めた。

そんな弥生を見ながら、
「俺、見てくる」

教会のドアに手をかけた。

「弥生は、ここで待ってて」

そう言った俺に、弥生は首を縦に振ってうなずいた。

ドアに手をかけると、ギギーッと不気味な音を立てながらドアが開いた。

中を見ると、ドラマのセットかと思うような構造だった。

ステンドグラスがキレイで、つい見とれてしまった。

1歩足を踏み出すと、コツンと靴の音が響いた。

周りを見回すと、1番前の席に誰かが座っていることに気づいた。

見覚えのある背中は、目の前の十字架を見つめている。

「…親父?」