春も嵐も

「別にいいよ、天ぷらそばね」

「わかった」

返事すると、弥生が居間を出て行った。

俺も腰をあげると、台所の方へと足を向かわせた。

「喉が乾いたなあ」

冷蔵庫を開けてペットボトルのミネラルウォーターに手をかけた時、
「…んっ?」

ドアポケットに紙が入っていることに気づいた。

何だこれ、今日の晩飯のメモか?

そんなことを思いながら紙を取り出して、中身を見てみた。

手書きの地図だった。

字からして推理して見ると、親父だと思った。

それにしても、
「ヘタだなー」

俺は言った。