つまり、早い話が俺は赤の他人ってことなのか?

息子でも何でもなくて?

勝手に家に転がり込んできた見知らぬ赤の他人として暮らすんですか、俺は。

「まあ、そう言うことだ。

気に入らないんだったら勝手に出てけばいい」

増田寛はそれだけ言うと、奥の方に消えて行った。

息子だと認めない?

あれだけ証拠を見せておいて、まだシラを通すんですか?

遺言書、おふくろ、ペンダント――これだけ証拠を出せば、首を縦に振ってうなずくところでしょ?

けど、彼はまさかのシラ通しである。

…へえ、それはそれで上等じゃね?

シラを通すんだったら、認めさせるまでだな。

「絶対に息子だって言わせてやる!」

俺は宣言した。