春も嵐も

殴られる覚悟は、それなりにしている…けど、親父は何にも行動を起こさない。

俺を殴りもしなければ、怒鳴りもしない。

マジでヤバくねえか…?

横目で弥生の様子を確認すると、彼女は青い顔で親父を見ていた。

俺も間違いなく、弥生と同じ顔をしていることだろう。

流れているこの沈黙が重くて、今にも押しつぶされそう…。

そう思った時だった。

親父はそらすように目を伏せると、
「少し、考えさせてくれないか?」
と、呟くような小さな声で言った。

それからスクッと立ちあがると、居間から出て行った。