春も嵐も

俺のその行動に、藤見父が驚いた顔をする。

「父から全てを聞きました。

あなたと僕の母親が恋人同士だったことも、探していた僕の父親があなただったと言うことも、何もかも聞きました。

このペンダントは、あなたからのプレゼントだと言う理由で生前に母親がとても大切にしていました。

母親はとてもたくましい人で、誰とも結婚をせずにたった1人で僕を育ててくれました。

周囲に何と言われようとも、世間からどんな目で見られようとも、僕のために頑張ってくれました」

藤見父は俺の話に黙って耳を傾けている。

「僕がこの街にきたのは父親――あなたを探すために、ペンダントと母親の遺言書を頼りにこの街にきました。

けど、もうその必要はもうありません」

俺は藤見父の手をとると、そのうえにペンダントを置いた。