春も嵐も

翌日。

「デカいのもいいところだな」

俺は、藤見邸の前にいた。

商店街売却を阻止するために、俺はここを訪ねてきた。

そして、本当の父親と向きあうために。

「本当に、大丈夫か?」

隣には、心配そうな顔をした親父がいた。

入試前の学生みたいな顔をしてる。

「大丈夫だって!」

明るく俺は言った。

「お宅に商店街を渡しませんって意思を伝えるだけだし、何かあったら俺が投げ飛ばす!

こう見えても空手やってたんだぜ!」

そう言った俺に、
「ま、それだけ自信があったら充分だな」

ふうっと、親父が息を吐いた。