春も嵐も

「――俺…」

そう言って話を切り出したその声は、かっこ悪いくらいに震えていた。

「親父の…親父の息子で、いてもいいの?」

震える声が、意思を伝える邪魔をする。

今にも、大声をあげて泣き出してしまいそうだ。

「ああ…」

親父が首を縦に振ってうなずいた。

「血が繋がっていなくても、嵐は俺の息子だ。

大事な…大事な、たった1人の息子だ」

そう告げた親父に、ボロボロと俺の目から涙がこぼれ落ちた。

本当に、心の底から通じあえたからだ。

「――親父、ありがとう…」

そう言った俺に、親父が答えるように大きな手で頭をなでてきた。