春も嵐も

俺は、涙が出そうになった。

母さんがそんなことを思っていた。

そう思いながら、母さんが俺を産んだ。

不倫だろうが、周囲の反対につぶされようが、未婚だろうが…それを全部背負ったうえで、母さんは俺を産んでくれた。

「その話を聞いた時、俺にもまだまだチャンスがあるんだって思った。

そう思ったとたん、勇気が湧いてきた。

俺はお前の母さんにお礼を言って、店を後にした。

旅行から帰ってきた後、両親に1人で弥生を育てることを伝えた。

その1年後に、俺は居酒屋を開いた。

お前の母さんが営業していた店を目指して、頑張ろうと思った。

そのことを、お前の母さんに手紙で伝えたんだ」

親父の声が震えているのは、俺の気のせいだろうか?