「弥生」

「んっ?」

「わざわざ言いにきてくれて、ありがとう。

それから、これからもよろしく」

弥生の目を見ると、俺は言った。

「嵐」

「んっ?」

「…あたしたちが本当に姉弟だったとしても、恨みっこなしね?」

「ああ、わかってる」

どちらからと言う訳でもなく、俺たちは肩を寄せあった。

俺たちは、弥生の言う通り本当にダメな姉弟だと思う。

本当なのか違うのか、よくわからないけど。

けど、
「――好きだ」

俺はそう言って、弥生と唇を重ねた。

この気持ちは、変わらない。