――嵐が、好きなの…

震える声で告げられたのは、愛の言葉だった。

弟としてではなく、男として告げられた。

同じ気持ちだったって、うぬぼれてもいいのか?

同じことを思ってたって、勘違いしてもいいのか?

「いつからだったかわからないけど、あたし…本当は弟としてじゃなくて、男として意識してたみたい」

震える声で、弥生が言った。

「バカだなって思った。

弟かも知れない人に恋するお姉ちゃんなんていないのに。

気持ち悪がられるのがオチなのにって…けど、そんなことを思ってもいつの間にか嵐に恋してた」

ポツリポツリと、弥生が言葉をつむいだ。