*゚。弥生Side。゚*

それから数日が経った買い物帰りのことだった。

一体どうすればいいのやら…と、あたしはため息をついた。

藤見のお嬢が嵐に恋をしたらしい…全く、本当に迷惑な話である。

誰がって?

そりゃ、うん…。

我ながら、あたしは素直じゃない。

だって、ねえ?

そんなことを思っていたら、
「ヤヨ姉ちゃん?」

聞き覚えのある声が聞こえてきた。

その声に振り返ると、
「トーゴちゃん」

幼なじみのトーゴちゃんだった。

「大学だったの?」

「うん、集中講義」

「夏休みなのに大変ね」

「まあ、残り2日の集中講義が終わればまた休みだから」

何の変哲もない世間話をトーゴちゃんと交わした。