「何?」

「あなた、怪しい人じゃないんでしょうね?」

怪しい人って、どう言う意味なんだ?

と言うか、俺は警戒されてるのか?

「まさか、俺がそんなヤツに見える?」

笑いながら俺は言った。

「なら、いいわ。

聞いてみたかっただけだから」

聞いてみたかっただけって…。

俺は変な気持ちになった。

彼女がドアに手をかけると、ガラガラと音を立てながらドアは横へと開いた。

「ただいまー」

中に向かって、彼女が声をかけた。

「おう、お帰り」

カウンターの席に座っていたのは、新聞を読んでいる男だった。