春も嵐も

「ありがと」

俺はそ!を受け取ると、懐にしまった。

「さあ、あたしたちもあたしたちでお祭りを楽しむわよ!

今日はとことん、つきあってもらうからね?」

“とことん”のところを強調して、弥生が言った。

俺の財布は大丈夫かな…。

財布の中に入ってる所持金は、3000円と小銭少々である。

「すげー人だな」

周りは人だらけで、卒倒しないって方が間違っていると思った

出店もたくさんあって、種類もかなり豊富だ。

「毎年こんな感じよ」

呟くようにそう言った弥生の顔に視線を向けた。