次の日。
紙田は佐藤がいる教室に向かった

「よー佐藤くん。昨晩は眠れたかな?」

目の下に隈がある佐藤に聞いた

「見りゃわかるでしょ。あなたどんだけバカなんですか」

佐藤はまだ昨日の不満が残っている状態だった。

「破天荒と言ってほしいね」

「…破天荒の使い方間違ってるしね」

「あ、マジで?ま、いいや。そんなことより」

佐藤の机に、何十枚にも重なっているプリントを置いた。なかなか分厚い。

「これ、上野くんの資料だから」

「上野くん…?」

「今回の標的の。やっぱ、趣味があった方が楽しいだろ」

「なるほど」

素直に納得した佐藤。
「じゃ、がんばれ。降れ降れ雨!!」

んじゃなーと言って、紙田は出ていった

「…雨は降ってほしくないですけどね」

ポツリと言ったあと、プリントを読み始めた。

「…すごく趣味が多いのに、何であんなつまらなそうな顔、してんだろう」

純粋に疑問を持つ。
疑問と言えば、もう一つ疑問が

―毎回、毎回、先輩はこんな情報、どこから集めてるんだろう

「ストーカーに近いだろ。これ」