成熟と化して



俺は風紀委員長。
今は文化祭の見回りをしている。

本当は俺も文化祭を満喫したいが、みんなの安全のため、我慢している。

…それにしても、盛り上げ部の奴ら、ちゃんとやってるか。


そんなことをおもっていると、

「あ、あっちいこう」
―…ん?今のはたしか、盛り上げ部員佐藤…?だったような
一応聞くか

佐藤に近づき、声をかける

「おい、佐藤」

しかし、佐藤は風紀委員長を無視し、そのまま歩く

「おい、佐藤!!」

「あ、委員長さん」

「おまえはたしか、学校の外だよな?」

「違いますよ。学校の中ですよ」

「ん?そうだったっけ?」

「はい」

佐藤の堂々とした態度に風紀委員長は自分の思い違いか、と思い、
「そうか、すまなかった」

「いいえ」

そう言って、また佐藤は歩き出した。


―なんだ佐藤は真面目な奴じゃないか

と、すっかり佐藤の冷静な対応に騙された風紀委員長。

―そういや、紙田はどこだ?

佐藤のことはもう忘れ、紙田がヤバいことしないかという不安で頭がいっぱいになる。

「捜しにいくか…

」学校の中だから(本当は学校の外周り)、すぐ見つかるだろうと思い、捜すことにした、風紀委員長。

「問題起こさなかったらいいが」




暫く歩いていると、外から間抜けな声が聞こえてきた

「今なら1000円だよ!!扇風機とストーブを合わせて1000円だよ!!お得でしょ!?」

それと同時に奥様方の歓声があがる。

「……」

風紀委員長は、塀をよじ登り見ると、
満面の営業スマイルで紙田がいた。

最もたくさん金が入るので、その笑みも含まれているのだろう。

「…つーかこれ犯罪じゃね?」

と風紀委員長は冷ややかに言ったあと

「紙田!!おまえ何してる!!?」