成熟と化して


「キミタチハハズカシクナイノカ?」

「ああ!!?」

「キミタチハハズカシクナイノカトキイテル」

「……何が言いたい」

「ソンナテイノウナコトヲシテ、ハズカシクナイノカトキイテル」

「なにごちゃごちゃ言ってんだよ!!」

友達の一人が、アンドロイド紙田の頬にパンチを入れた

「あ…終わった」

無表情に言う佐藤。どうやら諦めてしまったらしい

―しかし、何発殴られても、アンドロイド紙田はミサイルを発射しなかった。
そればかりか、無抵抗で、殴り続けられている

「あの…!!もう辞めて下さい!!」

真菜の声は、熱が入りすぎてる、紙田の友達二人に聞こえていなかった。

また、紙田の友達二人も、「あれ?計画と違くね?」と内心焦っていた。

紙田の友達二人が聞かされたことは、不良のふりをし、紙田に絡み、殴られる役だった。
そして紙田の強いところを真菜に見せるという、いわゆる引き立て役みたいなものだった。

なのに紙田は殴られ続けてる。無抵抗だった。

見かねた友達は、小声で
「おい、おまえ遠慮なく殴っていいから」

と、言ったが、アンドロイド紙田は、首を横にふり

「キョヒシマス。ボクハヒトヲナグラナイ。ヤサシイアンドロイドにナルト、カミタサマトヤクソクシマシタ」

びりびりと何枚か塗装が剥がれていく

「あの…もうやめ…ウ゛ッ…」

喧嘩をとめようとする真菜は、胸を押さえ、息を荒げる

「おい、大丈夫か!?」
友達二人も真菜を心配し、駆け寄る

「先輩」

「ん?」

「なんか変なことになってますよ」

遠くの二人は、何が起こってるのかは、認識できなかった。

しかし、紙田の友達が真菜の周りに集まってることから、真菜に何か起こったのかは予想できた

紙田は慌てて真菜に駆け寄る

「おい!!大丈夫かっ!!?」

「うわっ紙田が二人!!?」

この紙田の友達二人の言葉を無視し、真菜に話かける