次の日の朝。学校が
あるのにも関わらず、病院に向かう
「おい、真菜」
「ん?」
「よかった、間に合って」
まだ、帰る支度はしていないようだった。
病室には真菜一人だった
「退院してる間、二人でどこかに行かね?」
「二人で…ですか?」
少し考える顔をする真菜。
「あ、もしかして嫌だった?」
「いいえ。家族以外の人と、二人で出かけたことがないので」
「じゃあ俺がはじめての友達だな」
「そうですね」
真菜はくすくすと笑い、紙田の顔をじっと見
「出かけることに関しては、両親に聞いてみなければわかりません」
「そっか。だったら連絡先渡すから連絡してきて」
「わかりました」
連絡先を紙に書く紙田の姿を感慨深そうにじっと見つめる真菜。
「紙田さん…」
「ん?」
紙田は紙に書きながら真菜の返事をする。
「私は、死ぬのでしょうか?今は痛みもない、なのに後、5日で死ぬのでしょうか?」
「……」
紙田はペンを持つ手を止めて、真菜を見た
「前も言ったけど、諦めたら、終わりなんだよ。何もかも」
と言ったあと、ニヤリと笑い
「俺、今いいこと言ったのわかった?」
いつものチャラけた口調で言う紙田。
真菜は呆気にとられたように、ポカンとしたがすぐにくすくすと笑い
「気づきませんでした」
「何!!俺の一世一代の口説きを、気づいていなかったというのか!!」
「フフフ、ごめんなさい」
「くそっ小悪魔的笑顔で俺をおとそうとするのは辞めろ!!」
「こあくまてき?何ですか?それは」
「あれ?言葉のテイクミス?」
「はい」
「はっきり言うな!!」
と、のほほんとした会話をした。


