「盛り上げ部のですよ。最近活動してなかったし、そろそろしませんか?廃部になりますよ」
「そうだな…」
全く部活のことが頭になかった紙田は、ろくに調べもしていなかったので、誰が適してるかわからなかった。
するとふと真菜の顔が浮かんだ。
―いや、何で真菜なんだよ……
と、打ち消そうとしたが、あることに気付いた。
―そういやあいつと出会ったとき、とてもつまらなそうな顔をしたな。
―あいつにするか?―いやでも、俺の私情に佐藤を巻き込ますわけにはいかないよな。
あ、いつも巻き込んでるか
「先輩…?」
固まってる紙田に溜まりかね、佐藤が怪訝そうな顔で言う
「ああ、ごめん。んっとね…」
「先輩?」
「いないな…なんか今する気分じゃねーんだよ」
これはあながち嘘ではなかったが、佐藤は単なる紙田が飽きただけだと思ったのか
「あなたの気分で決めないでくださいよ!!」
「すまん…」
いつもの紙田と気付いたのか、ようやく佐藤が紙田がおかしいと気付いた。
「先輩」
「ん?」
「変な物でも食べました?」
考えた方向がおかしかったが。
「あのさ…」
今度は紙田から問いかける
「はい?」
「会わせたい奴が
―――…………
※
「ん…?」
紙田は、部室のソファの上にいた。
どうやらいつの間にか寝てしまった
「先輩、真菜さんのデート、どうしますか?」
若干、過去のはなしが長いと思いながら、起きた佐藤が聞く
「デートじゃねーよ!!」
と赤面で否定する。
「とりあえず、あいつはあまり動いたらダメだからな…」
うーんと、いつも以上に真剣かつ慎重に考える
―マジで好きなんだ…
佐藤は少し驚いたあと
「車椅子使えば?」
「車椅子か…」
「ダメですか?」
「いや、いいと思う」
「じゃあ、公園でデートってことで」
「だからデートじゃねぇ!!!」
佐藤はハイハイと応えると、紙に書き始める
標的→紙田。
と。


