「…先輩、あんこが口についてますよ」

指摘された紙田は手で口を拭いたあと

「空気読めよ!!」

佐藤は淡々に

「ま、ある程度のことなら協力しますよ」

「いや、これは俺の個人の―」

「依頼があってもなくても、人の憂いを無くす、それが"盛り上げ部"でしょ?先輩」

紙田は、はっとした顔に一瞬なり、すぐまたいつものニヤニヤした顔つきになった。

「そうだったな」

紙田は病院のなかに置いてあるソファの上に乗るやいなや、病院の中にも関わらず、大声で叫んだ

「盛り上げ部!!!今日からの標的は、新田真菜だ!!憂いを残らず全て無くすぞ!!!」

紙田はすっきりしたような顔をしていたが、周りはポカンとし、辺りは静寂に満ちた。

佐藤は、紙田から離れ、既に病院から出ていた


この後、紙田が看護婦にこっぴどく怒られたのは、言うまでもない。